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愛育病院

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診療科のご案内

新生児科

新生児科のご案内

「新生児」とは、生後28日未満、つまり生まれてから一ヶ月健診くらいまでの赤ちゃんのことを指す言葉で、「新生児科」とはその新生児を専門に診療する科のことです。

24庄のGCU
24床のGCU

12庄のNICU
12床のNICU

新生児科の特長

当院の新生児科には新生児特定集中治療室(NICU)と呼ばれる病棟があり、予定日よりかなり早く生まれてしまったり、体重が標準よりもかなり小さかったり、 生まれつきの病気を持っていたり、子宮の中の生活から子宮の外の生活への切り換えがうまくいかなかったりといった問題を抱えた赤ちゃん達が入院しています。
日本で生まれた赤ちゃんのうち、4%程度にNICUへの入院が必要になると言われていますので、決してごく稀な事、というわけではありません。

もちろん元気に生まれてこられるのが一番良いのですが、そうでないときでも、新生児専門医(詳しくはこちらを参照)7名を含む新生児科の医師が、 必要に応じて小児外科の医師と連携して、治療に当たらせていただきます。また、当院では対応できない病気(すぐに手術が必要な生まれつきの心臓や脳・脊髄の病気など)の場合でも、 治療可能な病院への紹介・搬送を、責任を持って行います。

赤ちゃんがNICUに入院する必要がない場合でも、新生児科の医師が赤ちゃんに関わる場面がいくつかあります。

まずは赤ちゃんが生まれる時です。赤ちゃんに蘇生処置(詳しくはこちらを参照)が必要になるおそれがある場合などは、新生児科の医師がお産に立ち会います。その場合でも、 ほとんどの赤ちゃんは元気に生まれてこられますので、新生児科が立ち会いになったからといって、過度なご心配はなさらないよう、お願いいたします。
生まれた次の日には、初回診察という赤ちゃんの最初の診察があります。呼吸の状態や心臓の音、お腹の状態などを確認していきます。

入院中に特に問題がなくても、退院の日にはもう一度診察があります。赤ちゃんは生まれた後、生理的体重減少により10%程度体重が減った後、充分栄養が摂れていれば体重が増えてきます。 それ以外にも赤ちゃんの体の中は、最初の1週間程度で変化する事がいくつかありますので、初回診察だけでなく、最低でも2回の診察を行っています。
その変化の一つとして黄疸(詳しくはこちらを参照)があります。黄疸が強い場合は入院が必要となる事もあります。 NICUの隣にある新生児治療回復室(GCU)という病室に入院し、光線療法という青い光を浴びる治療を行います。これにより退院の時期が数日遅れる事があります。
このように、私たち新生児科は、安心してご家族に過ごしていただけるよう、サポートして参ります。

蘇生処置とは

生まれる前の赤ちゃんは、肺呼吸をしていません。へその緒につながっている胎盤で、お母さんから栄養分とともに酸素を受け取っています。この仕組みが上手く働かないとき、 例えばへその緒が自分の頭などで強く圧迫されてしまい、血液が流れにくくなってしまっているときなどでは、赤ちゃんに十分な酸素が届きません。
このような状態が続くと、生まれた時に元気に泣けないことがあります。このように生まれた時に赤ちゃんの元気がなかったり、しっかり泣けない状態が続いたりすることを「新生児仮死」と呼びます。

一般的に使われる「仮死状態」という言葉のイメージとは違うかもしれません。新生児仮死の赤ちゃんで、自分で呼吸が始められない時には、人工呼吸を行う必要があります。 こういった処置のことを「蘇生処置」と呼びます。この蘇生処置の方法には、科学的な根拠を基に正しいとされている方法があり、新生児蘇生法として定められています。

日本周産期・新生児医学会では、新生児蘇生法の講習会を行い、それを身につけた医師・助産師・看護師などに対して、認定を行っています。 また、蘇生法の講習会を開催するのに十分な技能を身に付けた者に対しては、「インストラクター」としての認定を行っています。
当院新生児科では、新生児蘇生法のインストラクターが複数勤務しており、万が一の場合でも、適切な方法で、赤ちゃんの蘇生処置を行うことができます。

黄疸とは

血液の中でビリルビンという物質が増えると、皮膚や白目が黄色く見えるようになります。これを黄疸と呼び、肝臓や胆嚢・胆道などの病気のサインとなります。 ビリルビンは、赤血球に含まれるヘモグロビンという物質が分解されると産生されますが、通常は肝臓で処理をされ、胆嚢・胆管を通って腸へと排泄されます。 肝炎などでその仕組みがうまく働かないと排泄が悪くなり、血液の中に蓄積し、黄疸が現れます。新生児の場合は肝臓の機能が成熟していないため、多くの赤ちゃんに黄疸が見られます。 肝臓の機能の成熟に伴って、1~5週間程で黄疸は消失しますので、ほとんどの赤ちゃんにとっては問題になりません。
しかし、血液中のビリルビン濃度が極端に高くなってしまうと、脳に有害な作用があるため、そうなる前に治療が必要になります。通常は「光線療法」といって青色や緑色のライトを体に当てる治療を行うことで良くなります。

新生児専門医とは

新生児医療に関わる医師が参加する学会の中で中心的な存在である日本周産期・新生児医学会が、平成16年度から専門医制度を開始し、平成19年度から実際の専門医認定を開始しています。

医師紹介

医師名 役職 専門分野
松井 美優
(まつい みゆう)
新生児科部長 日本小児科学会 専門医
日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医
出生前コンサルト小児科医
森 裕美
(もり ひろみ)
医長 日本小児科学会 専門医
日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医・指導医
門田 真志保
(かどた ましほ)
医師 日本小児科学会 専門医
細川 真一
(ほそかわ しんいち)
医師 日本小児科学会 専門医・指導医
日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医・指導医
山﨑 千佳
(やまさき ちか)
医師 日本小児科学会 専門医
日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医
平川 健一郎
(ひらかわ けんいちろう)
医師 日本小児科学会 専門医
日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医
水谷 真一郎
(みずたに しんいちろう)
医師 日本小児科学会 専門医・認定小児科指導医
日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医・指導医
出生前コンサルト小児科医
労働衛生コンサルタント
産業医
公衆衛生学修士(MPH)
森川 一恵
(もりかわ かずえ)
医師 日本小児科学会 専門医
日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医