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愛育病院

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診療科のご案内

小児外科

小児外科とは

手術風景 小児外科はこどもたちの手術や難しい処置などを行う診療部門です。治療を行うお子さんの年齢や病気の種類・臓器は多岐に渡ります。 対象となる年齢は生まれたばかりの赤ちゃん(新生児)から学童期(中学生)までの広範囲の年齢のこども達の手術治療を行います。 また、当センターは総合周産期母子医療センターであるため、産科の胎児診断部門で外科治療の必要な病気の診断を受けた生まれる前の赤ちゃん(胎児)の治療にも同様に携わります。 新生児期の外科では低出生体重児と呼ばれる小さく生まれた赤ちゃん達の様々な手術も得意としています。

治療の対象となるのは、正常な消化管の機能を得るために食道から大腸までの消化管や肝臓、胆道系の外科治療を必要とするこども達、気管や肺に問題があり緊急に手術が必要なこども達、 腎臓、尿管や膀胱機能の異常などの尿路の問題をかかえ、感染や機能不全に陥るのを予防するための手術が必要なこども達、あるいは正常な内分泌機能(甲状腺、副腎など)を維持するために 外科治療を要するこども達などです。その病気の成り立ちは生まれたときには既にあるもの(先天性疾患)、から生まれた後で発生してくる病気と様々なものがあります。 治療にあたっては積極的に内視鏡外科治療と呼ばれる腹腔鏡下手術、胸腔鏡下手術あるいは膀胱鏡下手術などの侵襲の少ない、こども達に優しい外科治療を応用する努力を行っています。
その外科治療には日本小児外科学会から認定された小児外科指導医・専門医があたります。また、手術時の麻酔管理はこども達の麻酔を得意とする経験豊富な小児麻酔科医があたります。 小児麻酔科医は小児外科チームの一員として手術の麻酔だけでなく、手術前後の全身管理、CT scanやMRI検査などの画像診断時や内視鏡検査時の鎮静にも携わります。 私達はこども達の外科治療にはその発育・成長を考えながら取り組むことが重要であると考えています。その手術時期の判断と適応には関連小児部門各科(小児科、新生児科、小児麻酔科、放射線科)と 慎重な議論を行った上で決定をしています。
また、外科治療の実際にあたっては母児分離(こども達を一人で入院させない)をせぬ事をモットーとしており、小児外科病棟にはこども達のベッドだけでなく、お母様のベッドやシャワールームも備えた Baby & Mother cubeと呼ばれる個室を中心に運用し、治療を受けるこども達にお母様も常に寄り添って頂き治療ができるように整備しております。また、病棟には保育士も常駐したPlay roomも 完備致しました。

プレイルーム(6階)
プレイルーム

小児病棟(6階)
小児病棟

プレイルーム(6階)
エレベーターホール

小児病棟(6階)
小児病室

当センターで取り扱う病気のうちお母様に気づいて頂きたい代表的な病気のいくつかを簡単に解説してみましょう。

新生児外科疾患

新生児外科疾患:生まれてすぐに外科治療が必要な病気です(病気の解説は省きます)

先天性食道閉鎖症、腹壁異常(臍帯ヘルニア、腹壁破裂)、先天性十二指腸閉鎖症、先天性超閉鎖症、腸回転異常症、ヒルシュスプルング病(先天性巨大結腸症)、鎖肛、先天性横隔膜ヘルニア、先天性気管狭窄症、肺?胞性疾患など

これらの病気は新生児集中治療室(NICU)の医師(新生児科医)と共同で治療にあたります。最近では産婦人科の超音波診断学の進歩とともに 赤ちゃんがお母さんのお腹にいる間にその病気の診断(胎児診断)が可能になってきたものもあります。その場合は小児外科医も産婦人科医とともに 赤ちゃんの誕生前からお母様、お父様と面談を重ね、赤ちゃんの誕生後の治療について計画を立てさせて頂きます。

乳児期から幼児期にみられる頻度の高い外科疾患

※ 最も頻度の多い病気:私たちは1泊の入院で治療を行います。

【そけいヘルニア】

足のつけね(そけい部)の膨らみが特徴です。その膨らみは腸が脱出して生じます。女児では卵巣のこともあります。 腸がはまり込んで戻らなくなり(嵌頓:かんとんと言います)、血流が障害されると腸が壊死(くさってしまうこと)になることもあるので、 見つけたらなるべく早めの手術が必要です。

【停留精巣】

睾丸が陰嚢内まで正常な下降が見られない病気です。長く放置すると精巣(睾丸)機能が低下したり、 場合によっては悪性腫瘍が発生する場合もあります。当センターでは1歳までの手術を推奨しています。

【精索水腫・陰嚢水腫】

そけい部や陰嚢に水が貯まる病気です。通常は1歳半までに自然消退することが多いのですが(75%)、 この年齢を超えても治らなければ治療の対象になります。女児に見られるものは女性水瘤(Nuck管嚢腫)と呼ばれます。

【臍ヘルニア】

出べそのことです。臍ヘルニアの85%の方が2歳頃までに自然に消退していきます。 2歳を超えても膨隆が継続するあるいは余剰皮膚が大きく残っている場合などは治療が必要になってきます。

入院による外科治療が必要な病気

顔や目が黄色くなり(黄疸)、便が灰色や白くなる病気

【胆道閉鎖症】

胆道から胆汁を送る胆管という管が閉塞した病気です。1日も早い手術が必要です。

【胆道拡張症】

胆管が膨らんだ上に、膵臓から消化液を送る膵管との合流の異常も示す病気です。 必ずしも持続する黄疸を伴うとは限らず、腹痛が唯一の症状であることもあるので注意を要します。

おう吐を繰り返す病気

【肥厚性幽門狭窄症】

胃の出口の幽門という部分の筋肉が肥厚(厚くなる)し、ミルクを激しく吐 く(噴水状おう吐)のが特徴です。 生直後には症状がなく、生まれて2週間から8週間で症状が出てくる場合が多い病気です。

【胃食道逆流症】

食べ物やミルクが胃の中から逆流してくる病気です。おう吐で体重が減少するだけでなく、 気道への逆流で(誤嚥)で肺炎や喘息様の症状を示すこともあります。 また、胃酸により食道に傷がつき出血や狭窄(狭くなる)などの随伴症状を出すこともあります。

【腸回転異常症】

腸の並び方が正常とは異なり、お腹の中で正しく配列、固定もされていないため、捻れたり(軸捻症)、圧迫されたりしておう吐の原因となります。 黄色や緑の胆汁を吐きます。捻れが強くなると腸への血液の流れが障害され、小腸の大部分が壊死(くさってしまうこと)になることもあります。 腹痛を繰り返すお子さんには注意が必要です。

腹痛を来す病気

【腸重積症】

腸が腸のなかに重なって入り込み、腸の通りが悪くなるだけではなく、進行すると腸の血流が悪くなり腸が腐ってしまうことがある病気です。 それまで機嫌の良かったお子さんが、突然不機嫌、顔面蒼白になり、おう吐や血液の便(イチゴジャム状)を出したりします。 早いうちだと保存的に治療できますが、それで治らないと手術になることもあります。乳児期に多い病気です。

【急性虫垂炎】

盲腸と呼ばれていますが正しくは急性虫垂炎と言います。最初は胃のあたりむかむかしたり、胃が痛かったりしますが次第に痛みが右の下腹部に移って行きます。急いで手術が必要です。

【メッケル憩室】

赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいた頃に臍の緒(臍帯)と繋がっていた本来なら消退していく腸の一部が遺残した状態です。 小腸にあるポケット状の膨らみに炎症や潰瘍が出来て腹痛を起こします。不定の腹痛として放置されていることもあり、腹痛をよく繰り返すお子さんには注意が必要です。

頸に膨らみや小さな穴がある

【正中頸?胞:甲状舌管嚢腫】

顎の下に親指の先ほどの膨らみがあります。小さな穴があり、そこから唾液が出てくる人もなかにはいます。 胎児期に甲状腺が発生する時に出来たトンネルが舌の後ろから頸の上部まで消えずに残っている病気です。 感染を繰り返すので手術が必要です。

【鰓弓(さいきゅう)遺残症】

耳の下から、顎の下さらには頸の側方に出来る小さな穴や、膨らみを特徴とします。 胎児期に頸の組織や臓器が型作られる際にその基となった溝(鰓溝)が残った病気です。 この病気も皮膚に見られる穴から喉(喉頭や咽頭)にトンネル(ろう孔)が繋がっているので手術が必要となります。

お臍がじくじくして治らない

その多くは臍帯の不十分な脱落による肉芽組織によるものですが中には手術が必要な大事な病気が隠れています。

【尿膜管遺残症】

赤ちゃんがお母さんのお腹にいた時に臍帯の中にあり、膀胱と繋がっていた管が、消えずにそのまま赤ちゃんのお臍と膀胱との間に様々な形で残っている病気です。 臍帯が脱落した後も長い期間お臍がじくじくしている事があるお子さんはこの病気を疑います。 お臍がきれいになっていても不定の下腹部痛で発見される場合もあります。放置すると癌が発生することもあるので治療が必要です。

【臍腸瘻遺残】

尿膜管遺残と同じように胎児期に臍帯の中にあった胎盤と腸を繋いでいる管が遺残している病気です。メッケル憩室も広い意味ではこのグループに入ります。 お臍がじくじくするだけでなく、完全に腸と繋がっている病型の赤ちゃんは消化液で臍がひどくかぶれたり、腸の一部が臍から脱出する場合もあります。

腎・尿路で頻度の多い病気:私たちは腎臓や尿路の手術も得意としています。

不定の発熱が頻繁におきる

【膀胱尿管逆流症】

本来、膀胱の中に溜まった尿は決して腎臓に向かって逆流しなくなっていますが、その逆流防止の機構が不十分な状態による病気です。 元来膀胱の中には細菌が生息していますので、その細菌のいる尿が腎臓へ逆流して腎臓に腎盂腎炎と呼ばれる強い炎症を起こし、 腎臓の機能を脅かす重要な病気です。これまでの治療はお腹に大きな傷をつけ、膀胱を開いて手術していましたが、 当センターでは膀胱鏡という内視鏡を尿道から挿入し、Defluxという専用の注入剤を注入することにより、全くお腹に傷をつけず、 痛みもなく治療を行う内視鏡治療を1泊入院で施行しています。当センターが日本で最も沢山の治療実績をもっています。

水腎症(腎臓の腎盂が拡張している)、水尿管症(尿管が拡張している)

【腎盂尿管移行部狭窄症および膀胱尿管移行部狭窄症】

いずれの病気も腎臓で作られた尿が膀胱まで流れる経路に狭窄(狭くなっている)が生じている病気です。 腎臓から尿管への移行部が狭い腎盂尿管移行部狭窄症では腎盂と呼ばれる腎臓内の尿を集める部分が拡張し、水腎症と呼ばれる状態となります。 また、膀胱尿管移行部狭窄症では水腎症だけではなく、水尿管症あるいは巨大尿管と呼ばれる尿を腎臓から膀胱へ送る尿管という管が極めて強い拡張(膨らむ)を示します。 最近は生まれる前に診断されるお子さん達が増えて来ました。いずれも腎臓の機能を守るために外科治療が必要です。

【尿道下裂】

男児に見られる尿の出口(外尿道口)がおちんちんの先端にない病気です。その場所は陰嚢の近くに開いている型や亀頭内まで様々な位置に開口するものがあります。 当センターではこの病気の沢山のお子さん達を治療させて頂いております。経験豊富な小児麻酔科によって硬膜外麻酔を術後も継続的に併用することで痛みを軽減し、 入院期間も出来るだけ短期間にして治療にあたっています。

ご説明したこれらは代表的な病気のほんの一部です。その他にも様々な病気の種類に対して日々外科治療を行っています。 お子さんのコンディションについてご心配な事がございましたら、お気軽に小児外科外来受診頂きご相談下さい。

診療案内

小児外科は予約制です。

午前 吉澤/手術 - 手術 検査 検査
午後 手術 尾花 手術 加藤 尾花

医師紹介

尾花和子(おばなかずこ)

小児外科診療部長

学歴

1986年山口大学医学部卒業

資格

日本小児外科学会 認定指導医および専門医
日本外科学会専門医
医学博士

所属学会

太平洋小児外科学会、アジア小児外科学会
日本小児外科学会、日本外科学会、日本内視鏡外科学会、
日本静脈経腸栄養学会、日本小児救急医学会、
日本周産期・新生児医学会、日本小児癌学会など

加藤怜子(かとうれいこ)

医員

学歴

2009年大阪市立大学医学部医学科卒業

資格

日本外科学会専門医

所属学会

日本小児外科学会
日本外科学会

西部伸一

小児麻酔担当医師

吉澤穣治

非常勤小児外科医師

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患者様向け資料(PDFファイル)をご参照ください。